今日の新聞に石岡瑛子女史の記事が載ってました。超大作ミュージカル「スパイダーマン」のコスチュームデザインで、残念ながらトニー賞の受賞を逃したというニュースでした。彼女は今年、2012年1月21日に亡くなりました。
私は1月11日に弊社がグランプリを取得した第53回全国カタログ・ポスター展の表彰式とレセプションに出席したあとで、審査員でグラフフイックデザイナーの浅葉克己氏、勝井三雄氏、松永真氏、同じくグラフフイックデザイナーの大迫修三氏と食事をしていました。
この席で誰ともなく石岡瑛子女史の思い出話となったわけですが。いろいろなエピソードを語り合いました。
この時にはみんなまだ亡くなっていたことを知りませんでしたので、後で知って不思議な感覚にとらわれました。
石岡瑛子女史はフランシス・フォード・コッポラ監督の『ドラキュラ』でアカデミー賞衣装デザイン賞を受賞したことをはじめ、北京オリンピック開会式の衣装 デザインなどで名を馳せて、衣装デザイナーとして有名でしたが、ミカ製版とのつながりはグラフイックデザイナーとしてでした。大阪の印刷会社の東京営業所 より紹介を受けて仕事をすることとなりましたが、妥協を許さない厳しい仕事ぶりはみなさんの知るとおりです。一方でとても素直な方で、色合わせについて、 4色での表現では限界があり、特に薄い色を上手く使うことについて熱心に質問され、特色の使い方では弊社の技術者からの説明で納得いただき、勉強熱心なこ ともあり、印刷会社の技術者もへこませるほどの知識を持たれるようになりました。その後、無名のときから有名人になっても弊社を継続してお使いいただきま した。また、厳しい品質要求のおかげで弊社のオペレーターの技能を向上させることができました。弊社の歴史の中で忘れられない方です。